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カスタマーハラスメント防止
企業には、パワーハラスメント・セクシュアルハラスメント・マタニティ等ハラスメントへの措置が義務づけられていますが、厚生労働省が去る6月28日に改訂した「男女雇用機会均等対策基本方針」では、新たにカスタマーハラスメントに対する対応が加わりました。

ということで、今月は、カスタマーハラスメントについて背景と防止を考えてみたいと思います。今回の基本方針では、社会問題化したカスタマーハラスメントについて、事業主に対して周知啓発を行い、効果的な対策の普及に努める、としています。いわゆるパワハラ指針では、すでにカスタマーハラスメントに関する防止対策を講ずることは努力義務となっていますが、そちらが強化されるべく明示された形になります。カスタマーハラスメントとは「顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの」を差します。暴力や脅迫などの違法行為、迷惑行為、悪質なクレーム等さまざまで、クレームには「世直し型」「通常クレームの悪質化型」、心に問題を抱えた人による「異常な怒り型」「承認欲求型」「不満のはけ口型」「ストーカー型」等が挙げられ、従業員のメンタルを蝕みます。背景には、行為者本人、企業側(労働者側)の両面の問題があり、企業側が努力できることとしては、取引き場面での誤解や瑕疵、無礼がないようにすること、労働者のスキルの向上やサービス提供レベルの標準化です。また、行為者に対する事後の対応は責任者等別の者が対応するなど被害従業員の精神的負担の軽減が求められます。「お客様は神様です」を従業員に強いると社員は定着せず、質の悪い顧客が残ることになります。従業員の中には、カスタマーハラスメントを受けていることに気づかず、自らの能力の欠如と捉え上司等に相談や報告をせず、1人で我慢してしまう例も散見します。顧客・取引先の具体的な言動を共有し、日頃のコミュニケーションで早期に発見・対応することでクレーム対応も従業員を守るという目的も果たすことができます。管理職・従業員等への教育・研修は言うまでもありません。

ハラスメント歳時記 7月

パワーハラスメント防止措置が事業主の義務として施行されてから2023年5月で3年経ちました(中小企業は2022年4月~義務化)。3年でパワーハラスメントは減ったのでしょうか? 先月末に発表された労働局総合労働相談に寄せられた相談内容の件数によると、あっせんが申請された項目のうち「いじめ・嫌がらせ(パワーハラスメント) 」の件数は最多でした。統計項目が変更になったものの、相談件数の推移でみても、増加している、という結果です。パワーハラスメントに対する意識が形成され、相談に至ることも増えていますが、表立って行われずとも、パワハラが潜在化し日常的に行われている可能性もあります。

「どういった行為や言葉がハラスメントになるのか?」と問われることも多いのですが、状況や当人間の関係性等様々な要素を含んで発生し、それらを勘案して判断されますので、この言葉・この態度、などと特定するのは難しいのが実情です。発信者の気持ち、に尽きるのではないでしょうか。

私はこんなことを問いかけています。

 ① 他の人にも同じようにするか?

 ② その一言で、課題がスムーズに改善するのか? 相手に受け入れられ、もっと良くなると思えるか? 

 ③ 相手へのその態度に敵意や相手への否定はないか? 自分が言われて・されて腹を立てる言葉や態度ではないか?

 ④ 自分の意見や主観で判断していないか?
事情や結果の側面を考慮しているか?

 ⑤ ステークホルダーが見た時、 あなたに味方してくれるか?

自分の心に嘘はつけません。参考になさって下さい。